工場長養成塾

メッセージ

工場長養成塾 塾長からのメッセージ

荒川雅裕
工場長養成塾 塾長 荒川雅裕(あらかわ まさひろ)

 「工場長養成塾」は、平成17年度に経済産業省による製造中核人材育成事業の一つとして採択され、平成19年度からは名古屋工業大学の主催により開講されています。今年度で名古屋工業大学主催による運用はちょうど20年目となり、これまでの参加者は545名、参加企業数は171社となっています。毎年、受講生の1/3〜1/2の企業がリピーターであり、多くの企業が継続的に「工場長養成塾」に参加頂いていることや、近年では食品業界や農業界などの幅広い業界からの参加者も増えていることなど、20年間も「工場長養成塾」の教育カリキュラムが多くの企業に役立っていることに感服しております。このように20年に渡る運用はひとえに関係各位のご協力と参加企業の経営トップの方々のご理解によるものであり、工場長養成塾の代表者として感謝の意を表します。
 「工場長養成塾」では継続的に議論を重ね、カリキュラムの変更や教育方法の改良を進めており、今後も人材育成に効果的な教育を提供していきます。今回、第20回の開講を迎えるにあたり、“製造中核人材育成プログラム”では、より一層、現場での実践活動や現場に即した講義を受講生に提供することを考えています。また、経営者候補を対象とする“経営中核人材育成プログラム”においても、実務経験者による講師の方々とともに、講義と演習を充実させ、企業の経営運用にとって、より価値の高い知識や技術を提供する予定です。
 国内製造業では、これまでに少子高齢化による人手不足や技能者の技能伝承などの問題が言われていましたが、現在はこれらの問題が避けられない状況にあり、即時に対応を行わなければならない状況にあります。一方で、ロボット、IoT、AIの技術が発展しており、製造工場ではこれらの技術を含めて、現場改善を進めることが省人化や技能伝承には当然の取り組みとなっています。しかしながら、この取り組みは類似工場を参考として技術をコピーして導入することで終わらせるのではなく、その後には工場の特徴を分析し、工程管理に適切なIoTやDXのシステムを導入することが必要です。さらに、重要な事項として、これらの技術を自社で開発、運用できる体制を構築する必要があり、新しい問題に対して既存のIoTやDXのシステムを再利用することや必要な改良を加えることで低コスト、短期間での対策を行うこと、さらに類似工程へ横展開ができるよう自分たちの技術や知識を発展させる必要があります。
 このためには、従来からの生産管理や品質管理の技術だけではなく、製品設計、生産技術、情報システム、回路設計、データ分析などの技術を組み合わせて運用できる技術力が必要であり、そのためには広い範囲での分野の技術情報を製造の管理に活かす視点で分析と対策を進められる知識と思考力が必要です。
 今回の「工場長養成塾」では、自社工場での改善活動や模擬ラインによる実習のほかに、生産管理や品質管理の講義の講義を通して、上記の問題にも対応できる知識や技術を養うことを含めたカリキュラムを予定しています。
 各企業におかれましては、「第20回工場長養成塾」へ受講生を送り込まれることをご検討頂きますよう、宜しくお願い致します。

2026年6月吉日
荒川 雅裕 名古屋工業大学大学院 工学専攻 教授